2017年9月13日、私鉄高退協は東京・港区芝の東京グランドホテルで第36回定期総会を開き、全国から100人を越える仲間が集まった。方針・予算の決定に続き、私鉄総連が夏の姫路大会で、次期参議院比例代表選挙に、もりやたかしを組織内候補として擁立したのを受けて、この総会でも積極的に支援することを決めた。総会には辻元清美衆議も駆け付け、「一緒にたたかう」と激励した。
平和・組織拡大
開会に先立ち小松清人私鉄高退協会長は、東日本大震災と福島第一原発溶融事故の傷痕がいまだに続くなかで、さらに熊本地震、北九州北部豪雨、台風5号の列島縦断に見舞われ、多くの被害に被った人々への労(ねぎら)いを述べた。
次いで安倍総理が憲法9条改悪への意志を明らかにしたことに触れ、「平和への取り組みが重要」と述べるとともに、高齢者の増加による社会保障費の抑制に警戒する必要を訴えた。
全国退職者連合も、阿部会長から二見会長(自治退)への交替となったことを紹介、会費値上げ問題も俎上,、との状況を述べた。
参院比例区への「もりやたかし」への支援を議題としたことで、現退一致の取り組みを進めるとの決意を述べ、現役組合が高退協組織拡大への努力をお願いしたい、と要望した。
悪態続く安倍内閣 私鉄70年の歴史を発展させる
田野辺私鉄総連中央執行委員長は、来賓挨拶のなかで、東日本大震災をはじめ自然災害が相次ぐ被災者への見舞いを述べた後、北朝鮮やアメリカ大統領選などでの世界情勢を危惧する感想を語った。
国内の政治情勢については、安保関連法・共謀罪、自衛隊の南スーダン派遣と撤退など、数の力での国会運営と国民不在の政治で悪態が続く──と指摘。9条への自衛隊の明記などの憲法改悪への道を開き集団的自衛権を行使し、いつでも海外派兵の「戦争のできる国」へと憲法解釈を進めていると非難した。
働き方改革については、私鉄は他産業より残業が多い、との現状を訴え、労働者保護ルールの改悪に反対すると述べた。
自民党からの受け皿として、民進党の役割と責任は大きいとしながら、今はマイナスからの出発であり、衆議院選挙から参院選への展開に期待を込めた。
私鉄総連は今年が、結成70年であった。夏の大会を関西で開き、次世代につなぐ運動の継承、労働組合の役割を確認した。このことは、歴史を振り返り、先輩方が築き上げた私鉄労働運動を、将来に向け継承し、組合員の生活と雇用を守ることに通じる。
交通政策と政治力について、全国の総意として、もりやたかし組織内候補を擁立、政治政策の前進をめざす。医療・年金・社会保障を充実する。公共交通を守る。平和を守り、脱原発をはかる──今年の私鉄総連のテーマを提起した。
80歳になって地域活動の重要性を痛感──渕上貞雄終身顧問
80歳になった。脳梗塞の心配がでる年代になった。発病したらいち早く救急車で……。措置が早ければ、回復できる医療体制が充実してきた。
地域では、認知症対策が求められている。適切な治療法はまだ確立されていないが、高齢化社会になって、こうした人たちが増えている。老々介護の世帯も多い。
安倍内閣になって、情報の操作が目立つ。本当の情報公開が求められる所以だ。
地域における政治課題は、住民の健康と生活をいかに守るかだ。そのために税金をどう使うのかが求められる。
国会を、政治を、変えなければならない。もりやたかし君の国会への送り出しが、私鉄総連の課題だ。ぜひ頑張って欲しい。
辻元清美衆議も駆け付け
15時過ぎ、私鉄総連の準組織内議員でもある辻元清美衆議が駆け付けた。「私鉄交通政策の推進に向けて、両院での取り組みが出来るよう頑張る。参院選の前には、私の衆議院選もある。ともに私鉄の力が必要。みんなで頑張りましょう」とエールを送った。
もりやたかし決意表明
方針・予算審議に続いて、3号議案では「もりやたかし」の推薦決定を提案し、満場の拍手で承認した。決定を受け、もりや候補は「もう一度の推薦決定で身が引き締まる思い。社会保障にしっかり取り組み、平和と地域の活性化に向け、先頭に立って頑張りたい」と決意を述べた。

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