事務局便り


私鉄総連は「私鉄新聞」元旦号で、木村中央執行委員長、渡邊高退協会長らの年頭挨拶を掲載した。
 以下は、両氏をはじめ、関係議員、政党などの挨拶 (要旨)を収録する。[

左の写真は、私鉄新聞元旦号






 立ち止まることなく進む

私鉄総連中央執行委員長 木村 敬一

組合員・ご家族のみなさまには、日頃より公共交通を支えていただくとともに、コロナ禍による厳しい職場環境のなかにあっても、主要闘争をはじめ、さまざまな取り組みにご理解とこ協力をいただきましたことに、御礼を申し上げます。

 交通・観光産業の維持存続と安全確保交通を担い、日本経済を支える役割を果たしています。

 感染症の影響で交通・観光産業などは傷んでおり、加えて燃料油脂費も高い水準が続いています。また、昨年発生した鉄道車内での刺傷・放火事件は、利用者を対象とした無差別な凶行・テロであり、これまで築き上げてきた公共交通に対する安全・安心への信頼を損なう重大な犯罪です。

 私鉄総連は、事業の維持存続と安全確保に関する支援を国へ求め、職場組合員が安全に安心して働ける環境の構築、国民のみなさまが安全に安心して利用できる、持続可能な公共交通の実現に向け、引き続き取り組んでまいります。

 22春闘と交通政策要求に関する産業別統一行動
 連合は賃金要求について、「賃金水準追求の取り組みを強化しつつ、これまで以上に賃上げを社会全体に波及させるため、それぞれの産業における最大限の『底上げ』をめざす」としています。

 私鉄総連は、組合員の生活と雇用を守るべく、産業別統一闘争として、職場からたたかいを構築します。

 しかし感染症の影響が依然として残っており、いまだ回復途上となっていることから、22春闘を私鉄春闘の再構築に向けた第一歩と位置づけ、組合員の生活を守るためにも、賃金の回復と格差の是正に向け、今春闘に限る特例的な要求を掲げ、一致団結して22春闘をたたかいます。

 あわせて交通政策要求に関する産業別統一行動として、六月までの取り組みとなる地域行動、二月一日予定の中央要請行動、四月から六月の公共交通利用促進運動全国行動に取り組みます。

 将来、減少が危惧される組織人員に歯止めをかけ、労働組合の運動を継続的に行うべく、新たな組織拡大中期計画の策定に向け、取り組みを進めています。
 組織強化・中小対策も、苦しんでいる単組の課題を共有し、交渉力の強化に取り組みます。


政治政策の推進
 私鉄総連は第四十九回衆議院選挙を、働く者の雇用と生活、平和と民主主義を守り、安全・安心に暮らせる社会の構築、交通政策要求を実現するためにたたかいました。

 結果は、重点候補を含め六十三人が当選を果たしましたが、多くの選挙区で自民党候補に競り負けるなど厳しい結果でした。

 何よりも辻元清美準組織内候補の議席を守れなかったことは、私鉄総連の運動にとって大きな柱を失ったこととなり、非常に厳しい結果となりました。

 私たちの産業を守り、組合員・ご家族の安全と生活を維持するためには、政治政策を立ち止まることなく推し進め、政治力をさらに強めることが重要です。

 交通政策の前進、立憲主義・民主主義そして平和憲法を護るために、森屋隆組織内国会議員および政策推進私鉄国会議員をはじめ、各級議員と連携をはかります。

 本年夏の第二十六回参議院議員選挙は、組織の総力を挙げ全力を尽くしていきます。

結び
 私鉄総連は、地連・単組との連携をさらに強め、長期化するコロナ禍でのさまざまな取り組み、経験をふまえ、今後も職場組合員に寄り添い、どのような事態にも対応できうる体制を構築してまいります。

 組合員と家族のみなさまのご健勝を切に希望し、新年のごあいさつといたします。



 結成40周年の節目にさらに運動を進める

高退協会長 渡邊 幸一

 『新年にあたり私鉄高退協に結集する全国の諸先輩方を代表し、僧越なが ら会長の渡辺からごあいさつを申し上げます。

 日頃は、私鉄高退協運動に対する私鉄総連、各地連、各単組の現役組合役員のみなさまからの、ご尽力、ご支援をいただいておりますことに心より 御礼を申し上げます。

 私鉄高退協は、1982年の9月14日に東京観光ホテルで結成総会が開かれました。今年は、その私鉄高退協が結成されてから、40周年という節目の年にあたります。

 これまでの諸先輩のみなさまが築きあげてこられた私鉄高退協の歴史をふまえて、私鉄高退協運動をさらに前に進めていくことが、私たちの使命だと考えています。
 
 しかし、新型コロナ禍の影響は、私たち私鉄高退協の運動にも大きな負の影響を与えています。
 
 残念ながら二年連続して私鉄高退協の総会は、「書面審議」という形になり、全国の諸先輩方が定期総会の場に集まり、意見交換や懇親を深めることが出来ない状況が続いています。
 
 私鉄高退協として、この状況を少しでも打開をするために、昨年の幹事会では初めて、総連本部と各地連を結んで、いわゆる「テレビ会議」形式で幹事会を行いました。

このような新たな「絆」も活用しながら、私鉄高退協の運動を四十周年の節目の今年も進めていきます。

 私たち高齢者を取り巻く環境は、ウィズコロナからポストコロナの時代においても、年金や介護、医療など高齢者が活力ある生活を送るための社会保障制度の充実など、課題が山積しています。

 さらに、衆議院議員選挙の厳しい結果を受けて、憲法改悪の動きが加速する懸念もあります。これらの課題について、私鉄高退協は、私鉄総連や退職者連合との連携を密に運動を進めていく決意です。

 そのために、今年も私鉄高退協に結集する全国の諸先輩方が、引き続き新型コロナ感染にご留意されますことを心より願っています。



 
額に汗して働く者が報われる世の中に

組織内参議委員 森屋 隆
 
 謹んで新年のごあいさつを申し上げます。
 私たちは新型コロナウイルス感染が地球規模で拡大減少を繰り返すなか で、二度目の新年を迎えることになりました。

 世界中で多くの人々が生存の危機と困難に直面し、日本でも救える命を救 えない、あってはならない状況に陥りました。

 非正規雇用労働者やアルバイトで生活を繋ぐ学生、シングルマザーなど多くの生活困窮者を生み出し、日本社会の経済的二極化、一握りの富を得る者とその他多くの格差拡大がさらに進みました。

 現代社会が抱える課題を真正面から受け止め、社会の在り方そのものを今一度、見つめなおす局面です。ともに考え問題を解決するために動きださなければなりません。

 昨年十月の第四十九回衆院選では各地域において、ご支援とご協力を賜りましたことに改めて感謝申し上げます。結果を真摯に受けとめ、新執行部の下、来る第二十六回参院選に臨みます。さらなるご支援と益協力をお願い申し上げます。
 
 私、森屋隆は参議院予算委員会、厚生労働委員会の委員となりました。コロナ禍にあって最注目の厚労委員会所属となり、大きな責任に身が引き締まる思いです。

 また、激しい議論が展開される予算委員会は、文字通り「予算に関わる事柄」は何でも質問できる委員会です。公共交通のあり方や労働問題に係わる課題を、より広い視点から議論していきます。

 交通運輸産業やサービス・レジャー産業を取り巻く環境は、これまでにない危機的状況です。昨年は、国交大臣や担当審議官に私鉄総連と連携し二度の単独要請を行いました。交通産業などへの財政支援強化、燃料高騰、鉄道車両内での刺傷事件等に対する国の動きなど、確実に結果に結びついています。

 引き続き、誰もが安心して安全で安定した公共交通機関を利用できるよう、その為にも、そこで働く労働者の健康と労働条件の向上と、額に汗して働く者が報われる世の中を創るため、国会の場で発言してまいります。

 今年一年がみなさまにとって良い年でありますようこ祈念申し上げ、年頭のごあいさつといたします。



 
  前を向き出来ることを精一杯取り組む

全衆議院議員 辻元 清美
 
国民生活の安全安心を守るために日々奮闘されているみなさまに敬意 を表します。また先の衆院選では立憲民主党に全国で力強いご支援をいた だき、仲間を国会に送り届けてくださいました。党副代表として心より感 謝を申し上げます。

 関西地連のみなさまを中心に、私鉄の仲間とともに私は選挙をたたかいま した。コロナ禍で何ができるのか、みなさまと連日知恵をしぼりました。 多くの仲間が高槻・島本に駆けつけて下さり、怒涛のような維新の個人攻撃から盾となって私を守り、力の限り応援してくださったこと、私は生涯忘れません。

 そして6万6943人の方々にご投票をいただきました。今までで三番目に多い投票数です。しかし、力が及ばず議席を失う結果になりました。全て私の力不足です。心からお詫び申し上げます。

 大阪は難しい選挙です。自民は安倍元総理、河野元外相らが連日のように応援に入り、維新は政権批判をせず「頭に虫がわいている人」「辻元は仕事をしていない」と私への個人攻撃を展開。大阪十区を落とせば「全選挙区制覇」と党をあげた集中攻撃でした。

 今一人の「辻元清美」となり有権者の厳しい審判の意味を噛みしめています。
 
 国会では改憲勢力が勢いづき、論戦に加われないもどかしさで胸が苦しくなります。私が提案したワクチンバス・タクシーも全国で広がりを見せています。コロナ禍が少し落ち着いてきたなか、公共交通再生策を強化しようと国土交通省などと話していた矢先に議席を失い、歯ぎしりをしています。
 
 しかし、今の立場で出来ることを精一杯やっていきます。何より参議院には森屋さんがいます。森屋さんに希望を託し、今後も連携してまいります。

 私は前を向いて歩き始めています。社会にこれ以上分断が広がる前に、仲間のために私にできることはきっとある。

 「あきらめず、へこたれず」、全国の私鉄の仲間のみなさまとともに歩んでまいりたい。今後とも、お力を貸してください。




安心して暮らせる社会めざし全力

立憲民主党代表 泉 健太
慎んで新春のお慶びを申し上げます。また、昨年も多大なるご支援とご指 導を賜りましたことに厚く御礼中し上げます。

 長期化する新型コロナウイルス感染症の影響で、私鉄総連のみなさまにお かれましては昨年も大変な困難を強いられる毎日であったと推察いたし ます。
 
 人々の移動が大きく制限されるなかで産業としての収入が激減し、組合員の仕事と暮らしに深刻な影響を及ぼしたのではないかと、私どもも大変心配しておりました。

 そして、このような厳しい状況下にも関わらず、交通労働者の生活と権利を守りながら、利用者の移動の自由と安全を支え続けるために、昼夜をたがわずご尽力されている私鉄総連のみなさまに心よりの敬意と感謝を申し上げます。

 感染症は自民党政権が長く続けてきた「効率性に偏重した経済や過度な自己責任社会、小さすぎる行政の脆弱さ」といった日本の課題を浮き彫りにしました。

競争ばかりをあおり、自己責任を強調しすぎたこれまでの政治に対し、私ども立憲民主党は、命と暮らしを最優先する政治、支え合い分かち合う社会の実現を掲げて、昨年の衆議院総選挙に臨みました。

 力及ばず政権交代を果たすことはできず、選挙結果も大変厳しいものとなりましたが、みなさまから立憲民主党にいただいた多大なるご厚情とご支援にあらためて心からの感謝を申し上げますとともに、あらためてみなさまとともに、安心して暮らせる社会をめざして全力を挙げて参る所存です。

 私たち立憲民主党は、昨年12月に新体制を築き、みなさまとともに地域で活動し、声を集め、当事者と現場、生活に根差した政策立案政党として新たな第一歩を踏み出しました。

 本年は参議院選挙の年であります。私どもはこの選挙で必ず与党を過半数割れに追い込み、国政の主導権を取り戻してまいります。みなさまの変わらぬむ支援を心よりお願い申し上げます。
 
 最後になりましたが、私鉄総連のますますのご発展と組合員のみなさまのご健勝とご活躍をお祈りし、立憲民主党を代表しての新年のごあいさつとさせていただきます。


 憲法9条の改悪に警戒

社会民主党党首 福島 みずほ

新年あけましておめでとうございます。旧年中は大変お世話になりました。 政権交代をめざした昨年十月の総選挙でしたが、自公政権の継続を許す結 果となりました。心からお詫び申し上げます。

 さてこの二年ほど、私たちの命と生活は新型コロナウイルス感染症によっ てかつてなく脅かされ、奪われてきました。私鉄総連に結集されるみなさ んもご苦労が多かったことと推察いたします。
 菅内閣に代わって登場した岸田内閣は、これまでの新自由主義路線から「成長と分配」を重視する「新しい資本主義」をめざすとし、安倍・菅路線からの転換であるかのように国民に印象づけようとしています。

 しかし、岸田政権が安倍菅路線を引き継ぐものであることは明らかです。例えば防衛費について「GDP比2%以上も念頭に増額をめざす」として安倍政権以上に軍事力重視の姿勢を示しているからです。

 こうした政策の実施を許せば、社会保障や教育など国民にとって最も身近な予算が削減の対象となるでしょう。

 また総選挙の結果、改憲勢力が憲法改正の発議に必要な3分の2以上の議席を確保しました。日本維新の会などは、衆参両院の憲法審査会での改憲論議を加速させることを求めています。

 かれらの最大の狙いが「戦争放棄」をうたった9条の改悪にあることは明らかであり、警戒が必要です。

 20年にわたってアフガニスタンに軍事力を授入してきたアメリカは、平和をもたらすことも混乱に終止符を打つこともできずに撤退しました。武力で平和は実現できないのです。

 平和憲法の理念を日本に、世界に実現することこそ求められています。

 今年夏には参議院議員選挙が予定されています。コロナ禍で疲弊する経済や地方を少しでも建て直し、働く人々の雇用や生活を安定させる社会民主主義の政治への転換が必要です。

 社民党はみなさんとともに奮闘する決意です。本年もよろしくお願いいたします。