私鉄高退協は2021年6月4日14時から、総連本部地下会議室で第1回幹事会を開いた。コロナ禍で全国からの役員招集を取りやめ、各地連との私鉄総連会議システム「KIZUNA」(テレビ電話方式)による開催となった(写真㊤=総連本部)。  幹事会は小松組織教宣局長の開会の挨拶から始まり、森屋隆組織内国会議員がお忙しいなか駆け付け、次のような挨拶を受けた。    

 森屋隆組織内参議院議員が国会報告
 「日頃から渡辺会長を先頭に高退協の諸先輩方、そして、全国の仲間の皆さんに支えていただいていますこと、まずもって感謝を申し上げます。渡辺会長をはじめ、諸先輩方に国会へ送り出していただき、早くも2年が経とうとしている。第204回通常国会の報告をしながらあいさつに代えさせていただきたい。  

 本会議では、我が党(立憲民主党)は反対ではあったが、健康保険法の一部改正案が賛成多数で可決され通過をした。  ご承知の通り、75歳以上での年収200万以上の人が、窓口で2割負担となる。税と社会保障の問題の場当たり的なやり方であり、私たちは大反対している。

 結果的に、先輩方に720億円ほどの負担がかかるといわれている。それに引き換えて若者には一人当たり30円しか安くならない。国は980万円ほどの出費がなくなるという、国の無責任な健康保険の改悪である。  また、土地利用法は、国の力を強めて国民を監視、強化するという、安全保障の重要施設の周りを自衛隊が調査するという、そして罰則規定もあるという大変怖い法律である。

   衆議院で、12時間ほどの審議で参議院へ送られてきた。諸先輩方もご承知のことでありますが、参議院の方は今国会が16日までで、20日以上あけないと、本来は参議院に法案を送り込んでこれないという政令があるが、それを無視した、なし崩し的なやり方を今の政府はしている。  憲法の関係の国民投票法、これも衆議院の方でCM規制について議論がされ、参議院の方へ送られてきた。参議院の方では3年と2カ月ぶりの憲法審査会で、自由討論がされると思う。

 これについても憲法9条はもとより、今の憲法をしっかり護っていく立場のなかで今の政府のやり方に強く抗議をしている。

 いよいよ解散・総選挙が遅くても秋までにはある。何としても準組織内国会議員である大阪10区の辻元清美衆議院議員の再選を勝ち取らなければならないと思っている。全国の私鉄を支えていただいている重点候補者の当選に向け頑張らなければならない。

 平和と民主主義、そして働く者が報われる世の中をつくっていきたい。行政監視をし、国民の声を、諸先輩方の声を国会のなかで反映をさせていきたい。

  続いて、渡辺会長から挨拶があった(別紙)  

 池之谷副執行委員長、厳しかった春闘を語る  

次に、私鉄総連池之谷副執行委員長から、昨年の私鉄総連大会で新執行部となった各局長の自己紹介も行い、次のような挨拶を行った。  

 「この感染症の影響で、都市、地方、大手・中小を問わず、すべての公共交通に大きな打撃を受けた。特に大手に関しては関連するホテル事業や旅行事業も影響を受け、決算の関係では赤字の決算となっている。

 また、地方、中小においては、元々乗員、乗客が少ないところを、感染症が相まってさらに厳しい状況となっている。

 今回の21春闘の関係は大変厳しい環境のなか、私鉄総連の数々の方針に対して、地連、単組が一つひとつ実践し、今日現在で90%を超える単組支部が春闘の解決をしている。  

 厳しい産業にあってもきちんと解決に向かっていく、妥結に向かっていくというところは、私鉄総連ならではの運動の実施であろうと思っている。    そんななか、私たちの産業に明るい日差しを与えてくれたのは、先ほどごあいさつを頂いた森屋隆組織内国会議員であろうと思っている。

 私たちの公共交通に対して森屋議員は、雇用情勢助成金を始めとする感染症対策、そして私鉄に対しての支援策などさまざまな施策を隙間なく入れ込んでいただいた。私鉄総連の組織内議員がいて本当に良かった、ということを痛感している。  

 あわせて辻元準組織内国会議員においても、衆議院のなかで国土交通委員を務めている。そういったなかでも衆議院は辻元、参議院では森屋と私鉄産業をバックアップしてもらっている。

 高齢者の生活環境に、森屋さんと会長からもありました通り、75歳以上の後期高齢者医療の窓口負担については、年収200万以上の単身者については1割から2割。同様に複数世帯については年収合計が320万以上の世帯から1割から2割になるとなっている。

 緩和措置が設けられているにせよ、高齢者の生活を圧迫するということは目に見えている。この日本経済を支えてきた諸先輩方が安心して過ごせるように、高齢者福祉の充実を、辻元、森屋と一緒に私鉄総連本部としても私鉄高退協運動の後押しをしていきたい。」

 


 会議参加者の自己紹介と近況報告の後、協議事項に入った

 役員の交代については有川事務局長が提案、質疑なく承認した。  
 
 2021年度活動方針(案)については、国会で成立した医療費制度改革関連法案にちなんで有川事務局長が修正提案、異議なく決定し、9月総会への原案とした(別項)。
 

 第40回定期総会等諸会議の開催について論議
 

 有川事務局長が、「定期総会については、今のところ通常開催を予定している。

 しかし、感染症の状況によって開催方法は変わることは否めなく、判断はギリギリとさせていただき、私鉄総連の大会が終了した7月中旬から下旬に、総会の発文書を発行する。開催方法についてはその発文書をもって確認していただきたい」と提案。以下の質疑を受け、総会に向けて取り組んでいく。

  関西:総会を開きたいという想いは一緒だが、日本列島長く広い。開くにしても政府や地域の方針で参加が出来ないということもある。こういう事なら集まれるというような方向を決めておいた方がいいのではないか。例えば、一定の場所で参加するなと言われているような人も、ワクチンを2回とも打っているなら参加してもいい。というような、そういう方向を決めておかなければ、一部の地域のことで総会自体を中止するのはどうなのか。

  本部:おっしゃる通りで、限定したやり方、ワクチンを接種済みの人にすればできるのかや直接会場に来る人とWEBを併用するなど、さまざまなやり方があると思う。なるべく少しでも集まるなど方法を考え、提案させていただきたい。  

  東北:関西地連のおっしゃる通りだと思う。ただ、東北のワクチン接種が進んでいない。出席する代議員の方々にどこまで責任が持てるかと言われたときに、自信がない。その様なことから、昨年の東北の総会はあえて中止とした。そのことも良く考えて欲しい。また、参加する本人は良しとしていても、家族が反対するということも多くある。そこも参考にして考えて欲しい。少ない人数でも総会をやるということに反対ではない。

  本部:責任も含め、難しい判断ではあるが、さまざまなことを鑑みながら開催方法の判断をさせていただく。

 総会での任務分担について  

 四国:議長の担当となるが、万が一、四国から代議員が出せないとなったときに、四国地連から代理を立てることになるのか、または、出席のできる他地連の代議員にお願いすることになるのかなどは、どういう考えなのか。

  本部:議長が出席できないとなったら、議長の代理を立てるとかも考えたいと思う。規約に議長の定義も詳細に書かれてはいないと思うが、きちんと確認しどういった対応が一番いいのかを判断していきたい。

 その他
 
 本部:会則について、今後、オンラインや総会の出席などについて対応するため、会則の中身について確認したいと考えている。会則自体もきつく書いてあるわけではないので、変更の必要はないかもしれないが、中身をきちんと精査したい。今後に対応できるような会則に変更する場合は、次回の幹事会で提案させていただきたい。

以上